11月30日(保育園??見学第3弾)11月30日(火)生後6ヶ月10日 最近やっと人生の本質というか、そういうのが分かった気がする。 というのも、先日旦那と夏海にどういう人生を歩んで欲しいか、という話をしていて、自分の口から出てきた言葉は、「どんな能力もあるにこしたことはないけれど、それは“幸せになれるかどうか”とは別物だよね。夏海には“幸せな人生”を歩んで欲しい。」というものだった。 本当に心からそう思う。皆から愛されて、自分もたくさんの人を愛して、やりたいことを生き生きとやって“幸せだ!”といつも思っていて欲しい。 親として、彼女の能力を最大限に引き出せるような環境は整えてあげたいけれど、それをどう料理するか、選択するか、または選択しないかは本人の問題だと思う。 彼女が幸せだと思う選択をして、生きていって欲しいと思う。 こんな当たり前のことに気がついたのは本当に最近だ。 実は恥ずかしながら、ついこの間まで「いかに能力があるか」「いかに成功しているか」が人生の最大の目的だとすら思っていたのだ。 私は本当に浅はかであほな人間だったなぁ。。。 実際、手前味噌ながら数々の才能に恵まれつつも、そのどれも大して堪能も満喫も楽しむこともしないまま、今から考えれば大して幸せでもない人生を送っていたのは私である。 人間、当たり前のことに気がつくのに30年以上かかる、いや、子供を産まないと分からないなんて、本当に悲しいものである。 最近気がついたそんな当たり前のことだけど、とっても大切な子育てのポリシーだなぁ、と思っていたのだが、今日、まさにそれを実際に目の当たりにするような場所に出会った。 今日見学に行った場所だ。 なぜ“場所”と呼ぶかというと、そこはもはや保育園や幼稚園とは呼べないようなところだったからだ。 その空間に入った瞬間に、あぁ、きっとここだな、と思ったのだが、まだあと何校か見学に行く予定なので、一応それらが終わってから決めることにしている。 今日見学に行ったのは外苑前にある、0歳から5歳までの子供たちが通う場所だ。 まだ妊娠中にインターネットでリサーチをしていたときに見つけ、その瞬間に惚れてしまったのだが、あまりにも費用が高いのと(ほんと信じられないようなお値段)、場所が少々遠いこと、そして調べているうちに他にもいいとおもう学校が出てきたため、今回見学のアポを取ったときも「出来れば気に入らないといいのになぁ。。。」なんて思っていた。 今日は、入園する場合の夏海の面接もかねているのでばっちりお昼寝させてベストな状態でのぞみたいと思っていた。10時半に行かなくてはならないので、夏海をその前にお風呂に入れ、離乳食を食べさせて、お昼寝させたが、1時間20分くらいで起こさなきゃいけないなぁ、とちょっと憂鬱うだったところ、ご自分で1時間強でお目覚めになった。 私が昨日から、今日の保育園見学についてお話していたから楽しみで寝ているどころではなかったのかもしれない。 おっぱいをあげて、車で30分弱くらいの道のりをまたまたご機嫌ですごし、目的地に着いた。 セキュリティにめちゃくちゃ気を使っているようで、警備員の方に名前と住所を聞かれ、かつ身分証明を提示して入る。 小奇麗なマンションの1階部分をワンフロア全部使った形の場所だった。多分2、300平米はあるかな? マンションなので、とてもアットホームな感じがする、そして何だか懐かしいような不思議な居心地のよさを感じて、どこかでこんなのあったなぁ、、、、と思い出すと、昔イタリアに住んでいたときにクリスマス時期にお邪魔したイタリア人の家のようだ。 アメリカ式のキラキラではなく、でもとても念入りに、そして厳かな雰囲気で全ての部屋にクリスマスのデコレーションがしてある。 そして家具もとても趣味がよく、まさにヨーロッパ。 ここは、Artの専門の先生を呼んでArtの時間があるのだが、後で聞いた話では、これらのデコレーションも全て子供たちが作ったらしい。それをきいて本当にたまげてしまった。 ものすごく凝っていて、かつ絵なども子供が書いたようには全く見えない。いわゆる保育園などの掲示板に飾ってあるようなイメージとは全く違うのだ。 よく見てみると、どの絵もとてもきちんとしていて素敵な額に飾られている。それが理由かもしれない。 まず通されたのが、「これからスナックタイム」という2、3歳くらいの子供たちのクラスと、一番上の子供たちのクラスの合同の部屋。 ここの面白いところは3つくらいクラスがあるのだが、年は全く関係ないこと。 その子の成長度合いを観察しながら先生と親で相談し、クラスを上げるかどうかを決める。 だから、一つのクラスには見るからに小さい子供と大分大きい子供が混じっている。 皆小さな机を前にまあるくなって座っている。 2人の女の子が手をつないで窓の外に出て、男の先生も一緒に3人でなにやらぼそぼそ話している。 そして、戻ってきて皆に向かって報告。 “The weather is sunny and cold.” とてもかわいらしい。 彼女たちが報告した瞬間、皆がものすごい拍手とお褒めの言葉をいっせいに2人に浴びせる。 そして、次に校長先生(女性)が、ものすごく綺麗なブリティッシュイングリッシュで皆に話しかけている。 そうこうするうちに校長先生のピアノの伴奏でバイオリンの先生が曲を弾き始める。 それにあわせて皆でお祈りの歌を2曲、英語と日本語で歌い、スナックタイムとなる。 スナックタイムの間、バックミュージックは生のバイオリンとピアノである。 そこに座っているだけで心が洗われていくような心地よさを感じていた。 夏海は私のひざの上に立って、皆とピアノやバイオリンを弾く先生を代わる代わる見ている。 段々雰囲気にもなれ、どんどん顔が生き生きしていくのが分かった。 スナックタイムが終わると校長先生が「お待たせしました。」とやってくるやいなや、夏海をひょいと抱っこし、「かっわいいわねぇ。夏海ちゃん!なっちゃん。はじめまして!」とあふれんばかりの笑顔で夏海とお話している。 そのまま「皆さんに挨拶しましょうね。」と、近くにいた10人ばかりの子供たちに一人一人夏海と挨拶させ、「こんにちは!Hallo!ね、かわいいでしょう。小さいBabyよ。夏海ちゃんも、ほら、こんにちは。」と紹介している。 1歳前後くらいの子供たちには2人に1人くらいの割合でナニ-さんがついている。 東南アジア系の人もいれば、ちょっとインド系かな、という人、日本人ぽい人も。 皆に共通するのが、本当に子供が大好きで愛して愛してやまない!というオーラがにじみ出ていることだ。 夏海を皆で食い入るように見て、口々に私の方をみて、「名前は?」「何ヶ月?」「かわいい!」「みて、すごくみんなの輪に入りたいみたい!」「うなずいてるよ!」と、とにかくものすごく温かくて全くよそ者の気がしない。 本当に園全体が愛であふれているような、そんな場所だった。 しかしながら、さすがの夏海の校長先生のいきなりのハイテンションに少しびっくりしたのか、しばらくすると私の顔を見て少し泣きそうな顔。 慌てて返してもらうとすぐに笑顔になって、またいつものペースに戻った。 その後、校長先生が園の説明や彼女の教育に対する考え方を話してくれるのだけど、夏海は彼女が抱っこしたままで、話し始めるとともに「彼女は全く大丈夫ね。皆と一緒に遊んでみましょ。」と ナニーさんを呼び、夏海を預けて「皆と一緒に遊んでね。彼女の様子はあとで聞かせてね。」という。 満面の笑みで嬉しそうに夏海を抱っこしたナニーさんが「さ、夏海ちゃんいきましょ。」といってしまい、私はその間ぽかんと口をあけたままだった。 さっき泣きそうな顔をしていた夏海が思い浮かんで、大丈夫かな、、、とちらっと思ったが、夏海を連れて行ったナニーさんのとっても温かくて自信に満ちた笑顔を思い出して、大丈夫だな、と思い直した。 そこからかれこれ30分くらい校長先生と子供の教育について話し込む。 ここで冒頭に戻るのだけど、彼女が色々いったなかで、とても共感したメッセージがこれ。 「能力というのはとても大切なものです。いろんな能力がある人は恵まれています。でも、画家になろうと音楽家になろうと、その能力を生かせるのはせいぜい40代くらいまででしょう?強い心を持っている人でないとどんなに能力に恵まれていても人生は不幸な人が多いです。一生を通じていろんなことにチャレンジし続けたり、何かで挫折してもまた次のことを見つけていけるような力、それは強い心なんです。それは3歳までに培えるのです。3歳までにいかに揺ぎ無く、見返りを求めない無償の愛で包まれ続けたかどうかで、強い心を育てられるかどうか、が決まります。」 これ、まさに私が最近気がついたことじゃないか、と本当に感動し、目に涙が浮かんでしまった。 更に彼女の話は続く。 「ここに通う子供は、いつも誰からも愛され、受け入れられるんだ、と心から信じることが出来ると思います。一番大切なことはそれで、3歳までの教育は本当にそれにつきるのです。 他に3歳まででないと身につかないもの、語学の耳や絶対音感などがあるので、そういうものも身につけられるように考えていますが、それは2の次です。」 それも本当に共感できる。ますます感動し、どんどん目頭が熱くなる私。 その間も子供が通るたびに、とびっきりの笑顔でご挨拶したり、おもちゃを手渡したり、その接し方を見ていて、「あぁ、この人になら自分の子供を預けられる」と思った。 それが彼女だけでなく、ものすごい人数のいる(子供の数の半分くらいの人数)スタッフ全員がそうなのだ。 子供たちは、おちゃめな子もいれば、とてもおとなしい感じの子供もいる。 全体的に少しおとなしめかな?たまたまあった子供がそういう子なだけかもしれないけど。 プロフィールを読むと、この校長先生は幼い頃に外交官のお父さんについてヨーロッパを転々としたそうだ。 同じ帰国子女というところで親近感がわくのもあるが、なんにせよ、これだけのヨーロッパ空間を日本に再現しながら、そこに嫌味な感じ、気取った感じ、ひけらかした感じが全くなく、ただただ彼女の熱い熱い子供への思いだけが感じられて、本当に感動した。 何故ここに見学にきたのか、と聞かれて、「誰も信じないけれど、うちの娘は生後4週くらいから言葉を話します。何十人もいる園で、この月齢はこう、と既成概念をもった教育者に他の子供とまったく同じように扱われるのにどうしても抵抗がありました。そして、彼女の学校は今後日本に限らず世界の中で選んでいきたいので、そういう基準でいろんな保育園を探していてここに行き当たりました。」と説明した私に、「そうですか。お母さんはもうお分かりだと思いますが、赤ちゃんというのは大人が想像するよりずっとずっとたくさんのことを分かっているし、出来ると思いますよ。娘さん、おしゃべりするんですね。素晴らしいじゃないですか。」と彼女が答える。 でもそこには何の驚きもなく、偏見もなく、いたって普通な感じだった。 30分くらいすると夏海が戻ってきた。 ただ機嫌がいい、とかそういうレベルではなく、ものすごく上機嫌だ。 見るからに顔が高揚している。 ナニーさんが”She is OK!! Biiiiiiiig smile to everybody!”と報告する。 大喜びの校長先生。 夏海は楽しくて楽しくて仕方がない、という感じで立ってみたりハイハイしてみたり、お座りしてものすごい笑顔でお指をくわえてみたり、、、、まぁ、いつものペースってことか。 顔だけが、今まで見た中でもひときわ輝いていて、「まだ帰りたくない!」といっているようだった。 お昼寝に行く子供たちが次々にナニーさんと通り過ぎる。 皆誰かに会うと立ち止まって挨拶したり、笑いあったり。とにかく笑いがたえない。 ナニーさんたちも皆夏海の名前をもう覚えていて、皆から「夏海ちゃん!かわいい!」と声をかけられ、大喜びの笑顔で答えていた。 Sさん(週に1度夏海の面倒を見てもらっている人)でも、夏海がなれるのに1ヶ月くらいはかかったのに。。。。 そんな夏海の様子を見ていた校長先生が私に言う。 「She is very active and aggressive! 彼女は1歳になる前にもう走り回りますよ。そしてペラペラにおしゃべりするに違いありません。」 誰かはいってきたなぁ、と思ったら誰かのお母さんだった。 何かと思ったら、バイオリンのクラスとのこと。 ここは下から2番目のクラス(大体みんな2、3歳)に入ると全員プライベートのバイオリンのクラスを週1回受ける。 そのクラスはお母さんも一緒に受けて、家で一緒に練習することになっているそうだ。 年に何回か発表会もあるのだとか。 へぇ、とそのお母さんの後姿を見送る私に校長先生が言う。「お母様、何か楽器をお弾きになりますか?」 「ピアノを昔やっていたのですが、もうぜんぜん弾けなくなってしまって。。。」と私。 「そうですか。それならなっちゃんのバイオリンの伴奏を出来るようにもう一度練習されるといいですね。」と先生。 ちなみにバイオリンの先生は四六時中いて、レッスンをしていないときは、バックミュージックを弾いていたりする。 ここの本物志向はすごくて、壁には印象派の本物の絵画が何枚も飾ってあった。 という感じで、居心地はいいのだけど、まるで絵本の中に入ったのではないか、と思うような2時間を過ごした。 夏海も先生に抱かれたりナニーさんに抱かれたりして、子供が通りかかるたびに遊び、また上のクラスの子が運動のクラスで近くの体育館に行く時は先生と一緒に玄関までお見送りに行き、楽しくて楽しくて仕方なかったようで、9時半におっぱいを飲んでから、2時間半たっていても、「おっぱい?」という私に「何のこと?」というような顔を振り向ける。 いつもはお昼間2時間強でおっぱいを飲んでいるのに、楽しすぎてそれどころじゃなかったようだ。 いざ帰る段になっても、まったくぐずらずニコニコのままだった。 家に帰るまで、おっぱい持つかな、、、と心配だったが、車に乗ってすぐになんと笑顔のままお昼寝してしまった。 家に帰ってもしばらくは興奮さめやらない様子ではちきれんばかりの笑顔ですごくアクティブに動き回っている。 そして、9時半から飲んでいなかったおっぱいを思い出したのは、なんと13時くらいになってからだった。 今日はその後も全く眠くならないようで、15時半頃から一生懸命寝かしつけようとしたが、15分くらいの短いお昼寝を2回しただけでご機嫌のまま夜まで突入してしまった。 本当に楽しかったようで、今日行った園の名前を言ってあげるとものすごい笑顔になる。 どうやら彼女は相当気に入ったようだ。 さて、どうしましょうかね。 でも、私だけならいざ知らず、夏海が気に入ってしまったならもう仕方がないかもね。 問題が一つだけ。 私としては小学校入学時に日本の学校もインターもどちらも選べるように、夏海ちゃんが日本語でも英語でも学校に通えるようにしてあげたいとおもっているのだけど、ここはインターというわけではない。 基本的には英語だが、日本人とお話しするときは日本語で話しなさい。という教育方針で日本語を禁止していないので、英語で何不自由なくというレベルにまで到達するかどうかは人それぞれのようだ。 おまけに校長先生が帰国子女なため、アイデンティティの問題を強く意識しているので「日本人の子は小学校は全員日本の小学校へ」というのがモットーらしい。(ちなみに私も子供産むまではそう思っていた。) まぁ、でもそれは通わせながらおいおいどうするか考えて、駄目なら転校してもいいし、、、とも思う。 なんにせよ、3歳まではあの環境は素晴らしいと思うことには違いはない。 ジャンル別一覧
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